⭐手帳に書かれていた☆印 6年後の奇跡 その1
これはhisaの身に本当にあった涙の物語です。
二人が運命の出会いをした後、
過去にさかのぼり奇跡は起こりました。
正確には、とっくに奇跡は起きていて、
6年後になってやっとそれに気づいたのです。
自分の手で手帳に記した☆のしるし、
その時は全く別の意味を持っていたその日付。
6年ほど前のこと、
私にとってかけがえの無い存在である、
とても大切な人が急病で亡くなりました。
その人は、
私にとって先輩であり、親友であり、
将来独立して同じ事業をするという夢を
共有していました
一時は、同じ職場の上司でもあり、
職場が変わってからは、兄であり、仲間であり
生涯付き合っていくであろう、
お互い尊敬し合えるパートナーの様な関係でした。
6年前のある朝、共通の知人を通して連絡がありました。
知人によると、私の大切な人が、急病により救急で運ばれ、
既に脳死状態とのこと
もう二度と意識は戻らないとのことでした
仕事中、その連絡を受け、もう何も考えられず、頭の中は真っ白
どうしていいか、何も思いつかず、、
でも、すぐに我に返りました
こんなところでぼやぼやしているわけにはいかない
衝動的に職場に暫く休暇を取ることを伝えました
そして、一目散に会社を飛び出し、入院している病院へ向かいました。
一刻も早く会いに行ってあげないといけない
会いに行けば意識を取り戻すに違いない
助けることのできるのは自分しかいない
といった思いと
もしかすると、
これはよくできた嘘で、病院に行くと種明かしがあるはず
よく来てくれました!ありがとう!
なんてことがあるのかも
そういう考えと共に、
最後に会話したこと、電話での元気なさげな声色、最後に外食したこと、これからするであろうと思っていたこと、、
いろんな思いが溢れるように頭の中を次から次へ駆け巡りました
嘘であって欲しい、奇跡が起こって欲しい
涙は容赦なく視界を遮り、
大の大人なのに涙が止めれず、鼻をすすり
でも、そんなことを気にする気持すら起こらず
やがて病院に到着、対面しました
家族の人に手を握ってあげてくださいと伝えられ触れてみると
体は暖かく、息もしている
ただ眠ってるだけにしか見れないのに
もう二度と眠りから覚めることはないとの話
体を激しくゆすり起こしたい
大声で呼びかけたい
気持ちの限りその場で泣きたい
そんな気持ちは心の中に閉じ込めることしかできませんでした
自分よりも悲しんでいる人たちを前にして、
悲しみを表に出さずにいるこの人たちを前に
私が好き勝手に気持ちを表に出すなんて、とてもできませんでした
それでも、なりふり構わず、毎日病院へ行き、すぐそばで祈りました
脳死状態のまま数日
結局、奇跡は起こることはありませんでした
奇跡なんて起こらないんだって
もう既に起こりはじめている奇跡にも気づかずに